『遙かなる南極大陸』 『世界最南端』

ブルーアイス

2008.02.24
プエルト・マドリンあたりから南をいわゆるパタゴニアと呼ぶ。雄大な自然と動物が住む魅力的な地域。
手始めに僕らはバルデス半島ツアーに参加し、海では野生のトド、アザラシ、ペンギンを、陸ではアルマジロ、ダチョウより一回り小さいニャンドゥ、リャマの一種などを見ることが出来た。
でも間近で見ることは出来なかったので少し物足りなさを感じつつ、早々とパタゴニアを南下することにした。
 
バスを乗り継ぎ、南米大陸最南端も視野に入る街まで下ってきた。エル・カラファテ。
街そのものはこぢんまりとしているけど、目の前をアルヘンティーノ湖が広がり美しい。 バスで1時間半ほど先にある世界遺産指定された国立公園、ロス・グラシアレスの拠点でもある。
 
この街にやってきたのはやはり氷河観光のためだ。でもあまり情報を持っていない僕らは日本人宿に直行した。
この街で有名なFuji旅館へ向かったけれど、あいにく満室。辛うじてテントなら宿泊可能だというので、お願いした。 テントで一夜を明かすなんて思っても見なかった。しかも庭に張られたテントである。さすがに何度か夜に目が覚めて寝不足になった。 次の日からは空いた個室に移ることが出来たが。
 
テント泊で寝不足のまま氷河ツアーに参加したけれど、これが思いの外ものすごく良かった!
ツアーのタイプは数種類あるけれど、僕らはMINI TREKKINGという展望台とボートから氷河を眺め、その後2時間ほど氷河の上をトレッキングするといったツアーに参加した。 ツアー申し込みはFuji旅館でやってくれる。
 
バスでロス・グラシアレス国立公園に入り、ペリト・モレノ氷河の展望台へ向かう。 ずっと奥の、霞んでしまっている程奥の山あいから続く氷の帯は、展望台手前数十メートルで突然途絶え、巨大な青白い壁がそびえる。
時折その壁から轟音が響き渡る。音のする方を見やると、意外に小さな固まりが崩れたに過ぎなかったりとその壁の巨大さを思い知る。
僕らは残念ながら小規模な氷の崩落しか見ることが出来なかったが、大崩落の時はどれほどすさまじい音が響き渡るのだろう、想像も付かない。
 
展望台の次はボートに乗り、トレッキングポイントへ向かう。湖上から見上げるように眺める氷河も圧巻。
上陸後はレクチャーを受け、生まれて初めてアイゼンを足に装着し氷河をトレッキング。
離れた場所から見る青い氷河は、足下でも変わらず青いのだ!
氷河の氷は透明度が高く、光を構成する色のうち青だけを反射し他の色は吸収してしまうため青く見えるのだそうだ。 そんな理屈を知ったところで、目の前の青い氷にただ言葉を失うばかり。
氷河の上には、溶け出した水が小川のように流れていたり、所々に氷が裂けた溝があり中には恐ろしく深い所もある。雪が長い時間をかけて圧されて出来上がった氷はとても硬い。
トレッキングの最後は氷河の氷でウイスキーをいただく。
 
とても人の力では作り出せそうにない自然、それを自分の目で見ることが出来たのは貴重な体験であった。

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