『貧乏舌で見る仏・伊』 『住む』

日式旅行

2008.11.21
ロシアをヨーロッパと見なすと、ヨーロッパを旅して2ヶ月半になる。
その間18カ国を訪問。単純計算で一カ国4、5日ほどの滞在である。 一カ国4、5日、これを長いと思うか短いと思うか。
 
一泊二日でイギリスなんて強行をしたこともあるから、 僕らなんかは一カ国4、5日も居れば十分だと感じてしまう。 物価高のヨーロッパだから余り長居も出来ないという理由もある。 けれど、それ以上に時間の使い方が下手くそなんだとも思う。 ダラダラと一カ所に留まることが勿体ないというか、無意味なことだと思ってしまうのだ。
ヨーロッパの人々は日本では考えられないほどの長期休暇を取る。 その長い休暇を利用してあちこち行こうとは余り考えないようだ。 ある場所(海辺のリゾート地が多いだろう)でゆったり時を過ごす、というスタイルが大半だ。
長い間日本のセカセカした環境に居た僕らは一カ所でゆったりすることが出来ない。 何かしていないと何だか落ち着かないのだ。
 
旅先で出会った西洋人らに僕らの旅程を聞かせると、「あり得ない」「ジャパニーズスタイルだ」と言われる。
彼らの日本人旅行者のイメージは、携帯電話を片手に、カメラをカシャカシャと撮ってあっという間に立ち去る、それはせわしい人々。 言われてみればそうだが、仕方ない、そういう環境で過ごしてきたのだから。
西洋人の真似をしようともすっかり染みついたジャパニーズスタイルがそれを許さない。 例えば、仕事している身で3週間なり4週間なりの休みがポンと出たなら、大半の日本人は途方に暮れるはず。
 
「何したらいいんだ?」と。
 
数日なら何とか「間」も持つが、数十日になってくると手持ち無沙汰。
日本人は働き過ぎだ、とも思うが日本にいる限りそれが当たり前なのだし、それで日本経済が支えられているならそれでいいじゃないか。 悲しいけれど今更大きな変革は無理だ。
 
僕も日本に帰れば、何事もなかったように日本式ビジネスマンに戻れる自信はある。 ほんの一年かそこら日本を離れただけで長年染みついたジャパニーズスタイルは消えないし、消せない。 長旅に出たってこの通りセカセカしているのだから。

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