『バス・牛肉・ワイン』 『ブルーアイス』

遙かなる南極大陸

2008.02.19
しばらくブエノス・アイレスに停滞して毎日ステーキ祭りが催されているが、何もステーキだけのために留まっているわけではなかった。
 
ここブエノス・アイレスから遙か最果ての地、南極大陸へ向かうべくツアーの申し込み、準備をしようとしていた。
それまで「行けたらいいな〜」と思っていたところ、今の宿でこれから南極へ行く方に会い、一気に現実味を帯び「行ける!」と気持ちが昂ぶった。
今シーズン、ブエノスから南極行きの船は2月19日が最後(大体10月〜2月がシーズン)。「行ける!」と思ったその日は2月14日。
 
その船は超豪華なセレブ船だという。その名もスタープリンセス号。アメリカをはじめとするちょっとお金持ちのセレブ夫婦(イメージ)が船でのバカンスを楽しみながら南極まで行ってしまえ、 というようなクルーズ(イメージ)。当然今のままの汚い格好では乗り込めない。そうなるとスーツやドレスの用意も必要だ。
 
時間がない!
 
南極クルーズを取り扱うアメリカの代理店へ参加申し込みを行う。もちろん英語が達者でない僕に電話は出来ない。 でも時代は僕らに味方してくれている。そう、インターネットが今の時代にはあるのだ! ろくに英語が話せなくとも、Eメールと翻訳サイトがあれば海の向こうの異国人とも意思の疎通が可能。素晴らしい。
 
何度かのやりとりをしたが、結局は僕の不手際と担当者の不手際によりなかなか予約の確定が出来ず、 洋服を買ったりする準備を考えるとどうしても時間が足りなくなってしまい、自分の準備不足を呪いながら断念することとなった・・・。
残りの人生で南極に行く機会が果たしてあるだろうか。いつか悔やむ日が来るかもしれないが、まあ仕方ない。
 
 
今の宿の管理人エルばあちゃんはとても親切だが、もう一人宿に居るおっちゃん、本名エンリケ自称ジョニー(スペイン語圏でジョニーって!?)も負けず劣らず親切。
屋上でネット(宿のものではないアクセスポイントに勝手に繋いでいる)をしているときもワインを持って来て「飲め飲め」、パンを持ってきて「食え食え」とやる。
ある日は、夜の9時から市内観光に連れて行ってくれ3時間歩き回り(そんなに歩くとは知らずサンダルで行ってしまった!でもジョニーはスニーカー!!)、その翌日も夕方2時間連れ回される。(またサンダルで行ってしまった・・・)
そんなジョニーは今何しているのかよくわからないが、昔は大統領の食事の毒味をしていたんだ(少なくとも僕らはそう理解した)と昔の大統領とのツーショット写真を見せてくれた。それも3代の大統領との写真。といっても本当の大統領の顔を僕らは当然知らないけれど。「プレジデンテ」と言っていたから大統領なのだろう。
最初はあまりの親切さに変な疑いを持ったものだが、そうじゃない。本当にバカ親切なのだ。
奥さんを亡くしているようで、今は50歳独り身なのでさみしいのかも知れない。
 
そんな心地よい宿を出て、南下を続ける。次は動物の宝庫バルデス半島の近くプエルト・マドリンへ移動だ。

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